第二十三章

警察の報告書を切り札にして、ヘンリーに従わせるつもりだった。それで勝ち誇った気分になり、ついに自由を手に入れるのだという実感が湧くはずだった。

けれど実際には、胸の奥に重たいものがのしかかり、息をするのさえ苦しかった。

ハーディング家は危機のただ中にあった。ウィリアムは危篤で、ヘンリーは手術からの回復途中、会社の株価は急落している。

すべて、キャサリンとイザベラの企みに加担すると決めた私のせいで起きたことだ。

もうすぐ自由になれるのだ。喜んで然るべきなのに。

どうして、空っぽな気持ちばかりが残るのだろう。

「離婚の件で君がどう感じているかは分かるよ」リチャードが穏やかに言った。沈黙...

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